「人間はもともと自然の一員なのですから、」牧野博士の思いに触れたい
高知が生んだ「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士
明治・大正・昭和と活躍した牧野富太郎。新種や新品種など1,500種類以上の植物を命名し、94年の生涯において収集した標本は約40万枚と日本植物分類学の基礎を築いた一人として知られている。粘菌で有名な南方熊楠とも並び称され、「天災は忘れた頃にやってくる」で知られる高知県出身(生まれは東京)の物理学者・寺田寅彦が亡くなった時に「口ほどにもないやつ」と明治の気骨を見せる人物でもあった。「雑草という名の植物はない」と、牧野博士の植物への思いが伝わる言葉もある。また、「人の一生で、自然に親しむということほど有益なことはありません・・・」とも言われ、人間・牧野富太郎の生き方に触れることができる。
五台山のてっぺんにある「牧野植物園」で植物に包まれ、心の洗濯をしたい
高知市内から間近に見える五台山を車で上ると山頂に「牧野植物園」がある。明治・大正・昭和の時代に活躍された高知出身の植物学者・牧野富太郎博士を記念して作られたもので、牧野富太郎記念館展示館では牧野博士の研究や年表など多くの展示がある。標本の山に囲まれた晩年の姿や木造の笑顔の牧野博士など見ていて学べ、楽しい。園内には本館や展示館のほか、温室や記念庭園、植生園など草花や樹木に囲まれた安らぎの空間が広がる。また、こんこん山広場など新しいエリアも増え、散策がより楽しくなるはず。春夏秋冬、牧野博士ゆかりの草花や春のフラワーショーなどの各種イベントもあり、のんびり園内を歩き回ってみよう。きっと、心と体がリラックスできるはず。
本館のミュージアムショップと併設されたレストランアルブル
園内を歩き回ったら、レストランとカフェで一休みしたい。本館のミュージアムショップに併設のレストランアルブルでは「薬膳ランチ」や「お魚ランチ」など旬の地元食材を使ったランチメニューが楽しめ、デザートメニューも充実している。展示館にもカフェアルブルがあり利用したい。本館のミュージアムショップと温室横にあるガーデンショップでは牧野博士直筆の植物画ポストカードや植物画集をはじめオリジナルグッズが揃う。
住:高知県高知市五台山4200-6
TEL:088-882-2601
開:9時~17時(最終入園16時30分)
料:一般730円 ※高校生以下無料
休:年末年始(12月27日~1月1日)メンテナンス休園有り
アクセス:高知自動車道[高知IC]から南へ約20分
隣接する第三十一番札・竹林寺にも立ち寄ろう
四国八十八ヶ所の第三十一番札・竹林寺は五台山の頂上付近にある牧野植物園の登り口途中にある。参道の階段を挟んで紅葉や新緑が美しい。「土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし 買うを見た」で知られる「よさこい節」の歌詞に登場する純信は竹林寺の僧。美しい娘・お馬との悲恋物語だ。
住:高知県高知市五台山3577
TEL:088-882-3085
参拝時間:8時〜17時